春の土用の丑の日
こんばんは。
今年の夏の「土用の丑の日」は7月21日、
8月2日の2回ありますが、土用は夏だけ
ではなく、春夏秋冬それぞれにあります。
ですので今年の「土用の丑の日」は、
冬が1月23日、春が4月16日と4月28日、
秋が10月25日と11月6日です。
日本には昔から夏の「土用の丑の日」
にはうなぎを食べる習慣が定着して
います。
そのため、多くの方がうなぎの旬は
夏だというイメージがあるのでは
ないでしょうか。
食欲が衰える夏の暑い時期に旬な
うなぎを食べてスタミナをつけるという
目的から、夏に訪れる「土用の丑の日」
にはうなぎが好んで食されてきました。
そんな習慣もあり、なんとなくうなぎって
夏が旬だというイメージを持っている方も
多いことでしょう。
ところが、本来はうなぎの旬は冬なんです。
うなぎは12月には冬眠の時期となることから、
その準備のため秋になると栄養を体内に
蓄えていき、脂が乗りだします。
そのため、うなぎの旬は冬眠前の脂が乗る
冬の時期ということになります。
しかし、近年ではうなぎの主な消費は養殖
の鰻ということもあり、水温や餌の量を
管理して夏場に合わせてうなぎの成長と
脂の乗る時期を調整できるように
なりました。
ではなぜ本来は冬が旬なはずのうなぎを、
夏に食べる習慣が定着したのでしょうか?
たしかにうなぎを食べると精がつくと
いわれていますが、わざわざ冬が旬のもの
を夏に食べなくても他にも精がつく食材は
いろいろあります。
しかも、冬に食べれば夏よりももっと美味しく
食べられるのですから。
それにもかかわらず、旬を無視してまでも
夏にうなぎを好んで食べる習慣が定着
したのは、江戸時代中期の有名な学者・
医者・芸術家・発明家であった平賀源内
の知略が関係していたのです。
江戸時代、夏の暑い時期にはうなぎ屋
は肝心のうなぎが売れず困っていました。
暑い時期は食欲が減退し、うなぎの蒲焼
などこってりとして味が濃いものはあまり
食べる気になれないのは今も昔も
かわりません。
現在のようにうなぎは夏というイメージも
定着しておらず、旬である冬に美味しく
食べられていたのも原因だったでしょう。
そこであるうなぎ屋が、平賀源内に
どうすれば夏でもうなぎが売れるのかを
相談したのです。
それに対し、平賀源内は「本日丑の日」と
書かれた張り紙を大きな看板に貼って
店の前に置くという発案をしました。
これには「丑の日」に「う」のつく「うなぎ」
を食べることで縁起が良いという語呂
合わせや、鰻を食べると精がつくという
ことで、夏を乗り切るために良いという
イメージを植え付ける狙いもあったのです。
有名な学者である平賀源内がそう言って
いたということもあり、この宣伝は見事人々
の心を捉え、店は繁盛するようになります。
同じように商売に困っていた他のうなぎ屋
も真似し、それが拡がっていくことで夏の
「土用の丑の日」にうなぎを食べるという
習慣が根付いていったのです。
平賀源内が提唱した「土用の丑の日」
にうなぎを食べることで精がつき、
食欲やスタミナが減退する暑い夏も
乗り切れるというイメージですが、
では本当にうなぎを食べると精が
つくのでしょうか?
うなぎに含まれる主な栄養素は、亜鉛、
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、
EPA、ムチン、など、このように、うなぎ
には疲労回復や免疫力を高めるため
の豊富な栄養が含まれており、
精をつけるための食材としては
間違っていません。
しかし、うなぎだけを食べていても補え
ない栄養もあるため、当然ですが
しっかりとバランスを考えた食事を
心がけることが大切です。
平賀源内が発案し、江戸時代から根付いて
きた日本の伝統であり文化にもなっている
「土用の丑の日」にうなぎを食べるという
習慣です。
精をつけるためのひとつの食材として、
「土用の丑の日」には美味しいうなぎを
食べる文化を楽しんで、コロナに負けない、
抵抗力、免疫力を付けたいですね。
うな重です。
美味そうです。
ウナギの蒲焼と白焼きです。
うなぎ御膳です。
うなぎづくしです。
平賀源内の肖像画です。
コロナに負けずに頑張りましょう。
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